書店に採用された頃、地元には夜間の大学があった。人事の人に相談したが、授業の時間に間に合うためにはパートタイマーにならないと無理だと言われ、せっかく正社員で採用されたのにもったいないと言われた。
次の年、公務員になった後輩が夜間大学に入学したので、定休日の夜に大学へ遊びに行ったりしていた。
時々教室に忍び込んで一緒に授業をうけたりしたが、経済学部だったので興味もなく面白くなかった。
二十歳を過ぎた頃から『30歳までにちゃんとせな』という謎の呪縛にかかっており、どういう状態が『ちゃんとしている』のかもわからないまま、とにかく本ばかり読んでいた。そして、30歳になった途端憑き物が落ちるように楽になった。29歳で一人暮らしを始め、親から独立できたことが大きかったのかもしれないけれど、なんだったんだあの呪縛は。
書店の仕事は楽しいことも辛いこともあり、それでも一生続けたいとも思っていたが、会社の経営が傾いてきたのか女子の正社員は一旦辞めてパートかアルバイトになるように言われ、転職を考えたのでした。
脳内BGM♪大迷惑/ユニコーン