今度は書店で『本の福袋』を買いました。
中身が見えない袋に入っていて、もちろんタイトルや著者名は無く、文庫の帯に書かれた文言が袋の外に貼られていました。
その中に「奥の細道」とだけ貼られたものがありました。松尾芭蕉の奥の細道がそのまま入ってるわけないやろうしと気になり、買って帰りました。
裏表紙に書かれた紹介文。【高校教員の美穂は30歳。仕事に追われ疲労困憊の日々、恋人ともうまくいっていない。そんなある日、高校時代ともに「俳句甲子園」に出場した友人・空と、SNSで再会する。美穂は俳句に親しんだ日々を懐かしみ、いつか行ってみたいと思っていた「おくのほそ道」をめぐる旅に空を誘う。週末ごとに松尾芭蕉たちが辿った地をふたりで旅しながら、日常を離れ心を休める美穂。同行してくれた空は、この旅路で「会いたい人」がいるようで…。】
ただの旅行記ではない。
国語教師である美穂が時おり挟み込んでくる「おくのほそ道」についての解説がいい。
旅の描写に実際の風景や実在する店が出てくるので、観光ガイド的な部分もあり、旅心がそそられる。
そこに美穂の仕事や勉強したいという思い、空が高校時代突然転校した理由や今までの暮らしなどが少しずつ謎解きのようにあかされていく。空の会いたい人ってもしかして…。
初めての作家でしたが、読めてよかったです。